2008年08月25日

顧客の立場から構想する 「戦略論」

後日紹介するマイケル・ポーターをはじめ、

演繹的アプローチを取る戦略論専門家は多いが、

帰納的アプローチ、

つまり「顧客主義」を明確に打ち出して、

戦略を立てることの重要性を説いたのが大前氏です。

大前氏といえば、

若い頃からマッキンゼー日本支社を長年務めあげた

日本のほこる戦略家です。



今日は大前氏のハーバードビジネスレビューの論文を集めた

著書「戦略論」の中から第一章「競争は戦略の目的ではない」と

第二章「戦略計画と先見力」におけるエッセンスを紹介します。



「ライバルに勝つことは最優先課題ではない

 まず考えるべきは『顧客ニーズ』である。

 労を惜しまず顧客ニーズに応えているか、

 製品やビジネスプロセスはどれくらいの水準にあるか、

 製品企画、製造、販売といった活動はどれくらい顧客ンーズ

 を満たすものかについて点検する必要がある。

 すなわち、戦略は顧客第一主義に基づいて

 立案されなければならない。」



「先見力の要件は以下の五つである。

 @事業ドメインを明確に定義する。

 A事業環境に働いている各種の力の動向を、

  因果関係に基づいて将来どうなるか推定し、

  最も可能性の高いシナリオを論理的仮説として、

  単純なことばで簡潔に記述する。

 B事業展開のうえで存在する数多くの代替案の中から、

  いくつかの案を選ぶ。

  いったん選択したなら、人、技術、資金を、大胆にしかも

  積極的に集中して投入しなければならない。

  数少ない代替案に、より多くの資源を集中することによって、

  事業で競合に対していっそう大きな差をつけることができ、

  そのことによって成功率を高めることができる。

 C全力を投入し多くのことを短期間に達成しようとするのではなく

  資源の有効活用と、戦略実施のペース配分を検討する。

  このとき、高望みしすぎないよう注意することが必要である。

 D経営者は戦略選択の条件が有効である限り、

  それに沿っていかなくてはならない。

  しかし、もし想定した条件が変わったなら、

  事業の基本的な方向をも変えてしまう用意がなくてはならない。」



「成功する事業には、必ず成長要因がある。

 先見性を備えた起業家には、どの市場セグメントと顧客に

 サービスを提供しているかを一時たりとも忘れることはない。

 これを銘記している限り、自社の事業の根本的な存在理由

 の変化を告げるような、市場のいかなる微妙な変化も、

 敏感に感じ取ることができるのである。」



この他に先見力の第一要件である「事業ドメインの明確化」では、

大前氏はヤマハの例を出しています。

ヤマハの中興の祖である川上源一氏は、

日本にレジャー産業を発展させようと決意したと言っている。

アーチェリー、スキー、ボード、テニスラケットといった多角化は、

事業展開をやみくもにしていると思えるかもしれない。

しかし、よくよく考えると川上氏の指導理念に沿った

事業のすべてにおいて、ヤマハが圧倒的なシェアを有していることは、

事業ドメインの定義がいかに重要かを示す証拠である。

このようにすべての要件において、

ひとつひとつ事例を用いて分かりやすく大前氏は説明しています。



先日紹介したミンツバーグも、

経営はあらゆるアプローチで考えるべきと教えてくれました。

大前氏の指摘するように顧客のニーズも日々変わっているため、

それに対して画一的且つ演繹的アプローチが当てはまるのかというと、

素人の私でもしっくりしません。



「顧客から考える」

このことは当たり前のことですが、そのことを分かりやすく且つ

強くその重要性を説く大前氏の言葉は一度触れるべきです。



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